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充電機器 3C 認定施行:残留電流検知が「検知可能」から「安定的に検知可能」へ
July 28, 2026
2026 年 8 月 1 日、電気自動車給電装置の CCC 認定が正式に施行される。
市場監督総局 2024 年第 50 号公告の規定によると、CCC 認定目録管理対象に組み込まれた電気自動車給電装置は、CCC 認定証書を取得し認定マークを表記していない場合、製品出荷、販売、輸入、営業用途での使用を禁止される。
これは、新エネルギー自動車充電機器業界がより厳格な標準化フェーズに突入したことを意味する。
だが充電機器メーカーにとって、CCC 認定はゴールではない。
GB/T 18487.2-2026『電気自動車伝導充電システム 第 2 部:車載外伝導給電装置の電磁両立性要求事項』、GB 46519-2025『電気自動車給電装置のエネルギー消費効率基準値及び効率等級』などの規格が順次施行されるのに伴い、充電機器の設計は同時に以下 3 つの要求に対応しなければならない。 ・電気安全要求事項 ・電磁両立性(EMC)要求事項 ・エネルギー消費効率指標要求事項
今回の規格アップグレードの裏で、これまで軽視されがちだった工程が鍵を握るようになった。それが
残留電流検知
である。
従来の充電機器の漏電保護は「保護装置を搭載しているかどうか」に主眼が置かれていた。 だが今後は、複雑な電力電子環境下でも残留電流検知が精度・安定性・信頼性を保てるかどうかが重視される。
EV交流充電風景
新エネルギー自動車充電に残留電流検知の高度な要求が求められる理由
従来の一般電気機器に搭載される漏電保護は、主に商用周波交流環境を対象としている。 しかし新エネルギー自動車用充電機器は構造が大きく変化している。 交流充電機器の電力電子制御回路、直流充電機器の整流・電力変換・高周波スイッチング回路が存在することで、システム内の電流波形は極めて複雑になる。
絶縁異常が発生した際、充電機器には以下 4 種類の残留電流が発生し得る。 ・商用周波交流残留電流 ・脈動直流残留電流 ・平滑直流残留電流 ・高周波複合残留電流
これら各種残留電流は、それぞれ異なる検知技術を必要とする。 特に平滑直流残留電流は交流電流のように周期的な変化がないため、従来型漏電保護方式の課題となってきた。
6mA 平滑直流検知が業界の注目点となる背景
従来の AC 型 RCD は交流残留電流の検知に特化している。 A 型 RCD はこれに脈動直流の検知機能を追加したが、システム内に直流成分が持続的に存在すると検知用磁気コアに直流偏磁が発生し、残留電流検知性能が低下する現象が起きる。この現象は
DC ブラインディング(直流による検知不能化)
と呼ばれる。
新エネルギー自動車の充電中、電力モジュール・コンデンサ・絶縁構造に異常が生じた場合、平滑直流漏れ電流が発生する可能性がある。 この種の漏電は商用周波数に同期した変化を持たないため、従来の交流専用検知方式では適切に検出できない。
そのため平滑直流検知機能を備えた残留電流保護方式が注目されており、中でも B 型残留電流検知方式は下記全ての波形に対応可能で、EV 充電用途に完全な検知能力を提供する。 ・交流残留電流 ・脈動直流 ・平滑直流 ・高周波複合残留電流
EMC 環境の変化が残留電流検知に新たな課題をもたらす
安全規格が「漏電を検知できるか」を問うのに対し、EMC 規格は「複雑なノイズ環境下でも安定して漏電を検知できるか」を問う。
充電出力の高出力化に伴い、充電機器内部の電磁環境はますます複雑化している。 特に IGBT、SiC MOSFET などの電力半導体素子の採用が拡大し、高速スイッチング動作によって以下のノイズが発生する。 ・高周波伝導ノイズ ・コモンモードノイズ ・過渡パルス干渉
これらの干渉は残留電流検知回路に悪影響を及ぼす。 例えば、ノイズ信号を漏電と誤判定し不要なトリップが発生する、微弱な漏電信号がノイズに埋もれ検知感度が低下するといった不具合が生じる。
そのため次世代の残留電流検知モジュールは感度基準を満たすだけでなく、以下の性能を両立する必要がある。 ・耐ノイズ性能 ・温度安定性 ・長期運転信頼性
B 型残留電流検知方式:複雑な電流波形検知の核心ソリューション
新エネルギー自動車充電機器が高出力・高効率化するにつれ、残留電流検知が対応する電流波形環境も複雑化している。 従来の交流専用検知方式と比較し、B 型残留電流検知方式の最大の強みは、交流・脈動直流に加え平滑直流、一部高周波複合残留電流まで識別可能な点にある。
ただし機器のシステム構成、保護ロジック、適用規格は製品ごとに差があるため、残留電流検知ソリューションは個別の用途に合わせて設計する必要がある。
FR1D 6 C02:充電用途向け B 型残留電流検知ソリューション
芯森電子の FR1D 6 C02 は、EV 充電用途に特化した B 型残留電流検知センサーである。
FR1D 6 C02製品外観
FR1D 6 C02 は下記多種の残留電流波形に対応し検知可能。 ・50Hz 交流(AC) ・脈動直流 ・平滑直流(DC_SM) ・2 相脈動直流(2PDC) ・3 相脈動直流(3PDC) ・1kHz F 型複合波形
中でも平滑直流(DC_SM)の動作電流範囲は 3~6mA、代表値 5.1mA で、EV 充電用途に求められる平滑直流残留電流検知基準を満たす。
製品仕様 ・静止時消費電力:80mW ・動作温度範囲:-40℃~+85℃ ・入出力間商用周波耐電圧:4000V/60 秒
また、ゼロ点リセット・自己診断機能を搭載し、システム側でキャリブレーションを実施することで長期運転時のオフセット変動を抑え、残留電流検知の安定性を高める。
長時間連続運転を前提とする充電機器では、検知モジュールが動作閾値を満たすだけでなく、環境変化・過酷な稼働状況下での安定動作能力が不可欠となる。
回路概略図
交流充電スタンド適用トポロジー図
「認定基準適合」から「長期安定稼働」へ
新エネルギー自動車充電機器の安全設計コンセプトは転換期を迎えている。 従来:漏電保護の設計目標は認定規格への適合のみ 今後:残留電流検知が機器の長期安定稼働を支える基盤となる
CCC 認定は充電機器が市場に出るための安全基準を引き上げ、EMC 規格は検知回路の耐ノイズ性能向上を促し、電力半導体素子の進化は残留電流検知技術の継続的な高度化を推進している。
この流れの下、残留電流検知は単なる保護機能の一部ではなく、新エネルギー自動車充電機器の安全性・信頼性設計における核心要素へと変化した。
充電機器メーカーが留意すべき点は「漏電保護機構を搭載しているか」だけではない。 複雑な電力電子環境下において、残留電流検知が常に安定して動作するかどうかが、今後の最重要課題となる。
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