大規模化・高電圧化が急速に進む太陽光発電所において、集中型インバーターの直流側電流は1kA級を常態化し、電流センサーに求められる計測能力・安全性・環境適応性は従来にない次元へと進化しています。シンセン電子が開発したCM5A 2000 H20高精度閉ループ電流センサーは、±2000Aの超大測定範囲、6kV絶縁耐圧、0.3%精度というコア技術により、集中型インバーター電流検出のベンチマークソリューションとして確立されました。
一、集中型インバーターの核心課題とCM5A 2000 H20の解決策
1. kA級電流検出の課題
太陽光発電システムの直流側電流はモジュール規模拡大に伴い増加を続け、従来センサーでは測定範囲不足や温度上昇による計測誤差が顕在化。
CM5A 2000 H20ソリューション:
- ±2000A定格電流(ピーク±4250A)に対応し、1500V/2000Vシステムを完全カバー
- デュアルコア差動設計により母線磁場の非対称干渉を相殺、全量程線形誤差≤±0.1%
2. 高電圧絶縁と安全リスク
1500Vシステムでは一次/二次間絶縁要件が厳格化され、従来製品では沿面距離不足による漏電・破壊リスクが懸念。
CM5A 2000 H20ソリューション:
- 一次/二次間気隙28mm、沿面距離30mm(IEC 61800-5-1基準大幅超過)
- 23kV瞬時耐圧性能で雷サージ衝撃に耐性
3. 過酷環境適応性
砂漠・高原環境下での-40℃~+85℃温度範囲における安定動作が要求。
CM5A 2000 H20ソリューション:
- 自動車グレードエポキシ樹脂封止により85℃/85%RH「ダブル85」試験をクリア
- 母線接点ニッケルメッキ処理で塩害耐性1000時間(GB/T 2423.17準拠)
二、CM5A 2000 H20の5大技術特長
1. kA級電流対応「低温ドリフト」設計
- 温度補償アルゴリズム内蔵:全域温度(-40℃~+85℃)精度偏差≤±0.5%
- 母線温度上昇≤15K(2000A連続運転時)、熱膨張による機械的歪みを抑制
2. 抗飽和磁気回路設計
- ナノクリスタル合金コア採用:飽和磁束密度1.2Tで10倍過負荷電流(アレー短絡故障等)に耐性
- 従来珪素鋼板比で直流重畳耐性300%向上
3. 産業用EMC防護
- コモンモードチョーク&TVSダイオード統合:EN 61000-4-5 Class4サージ試験(4kV/2Ω)適合
- IGBT高速スイッチング(20kHz)下で出力ノイズ≤0.1%FSを実現
4. モジュラー式設置設計
- Φ57.5mm丸穴/61×21mm角穴の母線貫通仕様(最大120mm²銅バー対応)
- 水平/垂直多角度設置可能でインバーター筐体内空間を最適化
5. デジタルインターフェース拡張
- CAN/RS485出力オプションにより発電所IoTプラットフォームと直接連携
- 電流データリアルタイム監視・故障予兆検出を実現
三、集中型インバーターにおける主要適用事例
1. 直流側ストリング監視
- 各ストリング電流(±1500A)をリアルタイム検出、IV曲線診断と連動し異常ストリング(ホットスポット・PID劣化等)を特定
- 中国西北部発電所実績:故障解析効率60%向上、発電損失8%削減
2. インバーター交流出力保護
- 系統連系電流高調波(THD<3%)を検出しGB/T 14549-93規格適合を保証
- 過電流保護応答時間≤1μsでIGBTモジュール短絡損傷を防止
3. 蓄電システム双方向電流管理
- 充放電双方向電流(-2000A~+2000A)を±0.3%精度で計測、SOC推定精度向上
四、国産化代替を実現する「シンセンモデル」
1. コスト優位性
- 輸入品(LEM HTFS 2000等)比50%コストダウン、納期12週間→4週間に短縮
2. カスタマイズ対応
- 母線穴径調整、出力信号(4-20mA/0-5V)変更等、各インバーターメーカー要望に対応
- 事例:欧州ブランド代替用±2500A/8kV絶縁仕様を開発、年間調達コスト1.2億元削減
3. 現地技術支援
- 48時間現地対応、選定試験から量産納入までフルサポート
五、実証データ:500MW太陽光発電所適用レポート
指標 | CM5A 2000 H20実測値 | 業界要求 |
直流側電流測定誤差 | ≤±0.28% | ≤±1% |
絶縁耐圧合格率 | 100% | ≥95% |
日平均温度上昇(45℃環境) | ≤8℃ | ≤15℃ |
年間故障停止時間 | 1.2時間 | ≤10時間 |
六、将来展望:「機能部品」から「知能部品」へ
シンセン電子は次世代センサー開発を推進し、無線伝送・エッジコンピューティング機能を統合。電流リップル分析・部品寿命予測を実現し、太陽光発電O&Mを「AI+センシング」時代へ導きます。
(注)中国国家規格(GB/T)については原文表記を維持しつつ技術的内容を正確に翻訳